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メルマガ第35号 【ペートンタン新内閣発足】

2024年8月14日 セター首相辞職に伴い、タイ貢献党の次席党首のペートンタン・シナワットが第31代タイ首相に就任した。
ペートンタン首相は言わずと知れた、タイ元首相タクシン・シナワットの娘で、今後の政権運営にタクシン氏の力が強く反映されていくだろうと考えられている。
新しい内閣の構成では、タイ貢献党を中心とした議員の中から、新旧様々な世代が入閣した。ベテラン層の指導を仰ぎつつ、ペートンタン首相自身も37歳と新しい世代であり、タイ国民の若い世代の意見を多く取り入れ、政治や社会に広く関心を持ってほしいという気持ちで取り組んでいく。*添付 新内閣の閣僚リスト
基本的には、前政権の経済政策などを引き継いでいく方針で、9月12日には国会において、特に早急に取り組むべき10の政策を正式に発表した。概要は以下の通り。

【新内閣が発表した10の緊急案件政策】

  1. 国民の住宅や自動車を購入する際のローンについて生活様式に即した適切な債務制度を再編する。
  2. タイの起業家、特に中小企業の利益を外国貿易の競争相手との不公平な競争に対し、保護・開発促進・債務問題の解決などの側面から支援し、経済を牽引する強力なメカニズムを構築する。
  3. エネルギーの価格引き下げ
    エネルギー価格の再構築や直接電力購入契約の見直しなど、関連する法律や規制の改善を行う。
    その他、公共交通システムの開発を促進、バンコク首都圏での運賃統一の確立など、国民の交通費の負担を軽減する。
  4. GDPの50%以上の価値があると予想されているインフォーマル経済と地下経済に税制を導入し、教育・公衆衛生・公共事業などに配分することで国民の基本的支出を助成し、新たな歳入を生み出す
  5. 企業の経費負担の軽減とキャリア機会の増加を図るとともに、デジタル経済の基盤を築くデジタルウォレットプロジェクトを推進し、国民のニーズに応える政策策定に向けたデータセンターを整備する。
  6. 伝統的な農業を現代農業にアップグレードする。
    農産物の価値と価格上昇を加速させると同時に、食品加工技術の開発、農業技術の開発を支援して所得増加を目指す。
  7. 国際見本市や外国人リモートワーカーなどのビザ申請を容易にするために、パスポートの再構築を継続し、観光振興を促進する。
  8. 薬物問題を包括的に解決する。
    近隣国と協力して、生産・流通の源流を取り締まる。また、薬物中毒者の社会復帰のサポートシステムを充実させる。
  9. 国境を越えたオンライン犯罪、悪徳なコールセンターの防止、取り締まりを強化する。通信会社や商業銀行が責任を分担する仕組みを整備し、詐欺被害者の迅速な支援も行う。
  10. 社会情勢の変化に合わせて能力開発を推進し、社会福祉を推進する。特に障害者・高齢者・少数民族など脆弱なグループに法律で規定されているように平等な経済機会や福祉が得られるような環境を整える。

【全国に発生した洪水】

現在、台風やゲリラ豪雨によって先月から各地で起こっている洪水被害が報じられている。特に、北部、東北部、中部は被害が大きく、チェンライ、ノンカーイ、ウドンタニー、ナコンパノムなど近隣国からの排水や暴風雨のリスクが、洪水拡大の更なるリスクの火種となっていて、早期解決が難しいという見方もあり、特に農業地域への被害が多く、生活費高騰や債務などの問題を抱える中での国民の生活をさらに圧迫する恐れもある。
政府は緊急対策本部を設置し、被害の確認と支援策について、迅速な対応が求められている。
データソース:タイ内閣府 bangkokbiz
第一次ペートンタン内閣 閣僚リスト
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