【タイ工業相 経済産業相と会談】
2022年1月13日、タイ・バンコクにて、タイ工業省は海外との交流を再開し、タイ経済の復活を加速させるため、日本の経済産業省と協力し、双方の優れたポテンシャル領域を高めるための方法などについて、意見交換を行いました。日本側のアジア未来投資イニシアチブAJIF(ASIA-Japan Investing for the Future Initiative)を用いてタイの政策BCG経済モデル(Bio-Circular-Green)を推し進める方針です。
タイ工業省はイノベーションと技術の共同開発において、日本の経済産業省の政策AJIFとタイのBCGモデル政策とは様々な面で成長機会を創出できると考えています。人的資本における能力構築やデジタル技術を活用して、SMEの成長を刺激すること、強力なサプライチェーンを構築することなどにより、社会経済の変化を支えたいと考えています。また厳しい状況の中でも、日本はタイへの投資に期待感があり、プロジェクトへの投資価値は700億バーツで1位となっています。
スリヤ・ジュンルンルアンキット大臣の発言
2019年から続くコロナウイルス感染拡大は、多くの国で工業をはじめとする様々な分野の経済活動に多大なる打撃を与えました。変化する環境に対応して経済を回復・強化させていくための道を築かなければなりません。
今回、工業省は日本の萩生田経済産業大臣の訪タイの機会に、このような変わりゆく経済環境の中で両国が成長するためにどのような協力が行えるかについて議論する機会を得ることができました。
日本が掲げているAJIFとタイのBCG経済モデルの双方を基に、経済産業省と連携してFramework Document on Co-Creation for Innovative and Sustainable Growthという名のもと相互協力を行う方針を固めました。
これらはイノベーションと技術開発に焦点を当てた革新的で持続可能な成長のための共創に関する枠組みであり、合意文書の下で協力の枠組みが定義されています。人材の能力構築やデジタル技術の活用、SMEの成長、強力なサプライチェーンの構築などを通して、日本の産業部門からの投資を促進するものです。投資拠点としてタイを利用して、近隣地域産業をつなぎ、発展させるとともに、タイと日本の双方が共に異なる次元で成長機会を創出する可能性を両立させます。
Framework Document on Co-Creation for Innovative and Sustainable Growthの下で計画されている3つのテーマ
- 次世代自動車産業、インテリジェントエレクトロニクス産業、農業及び食品加工産業、ロボティクスとオートメーション、航空業、物流業、ヘルスケア産業、バイオケミカル産業、循環産業、グリーン産業 …これらの分野において協力して人材育成を行い、高い知識を持った専門家を育てタイにおける持続可能なイノベーションを促進する支援を行う。
- SMEの強化、Industry Transformation Center 4.0(工業省と高等教育・科学・研究・イノベーション省、デジタル経済社会省が共同で立ち上げたIndustry 4.0を促進支援する機関)と連携して、タイの中小企業の問題解決や効率性向上のためにデジタル技術を導入する。ビジネスマッチングやデジタルプラットフォームなどのパートナーシップを通じて、タイと日本の間で中小企業を結び付ける。
- メコン地域における、競争力のあるサプライチェーンの共同構築。
デジタル移行と人材育成、そして再生可能でグリーンなサプライチェーンの創出により、タイの産業の品質と価値を向上させる。
現在、工業省が経済産業省と行っている協力プロジェクト
- タイで今問題になっている廃棄車両処理を解決するため「包括的な終末期車両(ELV)管理システムの確立」を目指すプロジェクト、また「カーボンニュートラルを目的とした工業団地開発教育」プロジェクト。これらは政府のBCG政策の達成に役立つと考えられています。
- “Lean Automation System Integrator (LASI)プロジェクト”と“Lean IoT Pland Management and Execution(LIPE)プロジェクト”、そして“スマートものづくりプロジェクト”は、生産能力を高めるメカニズムであるAI、IoT、自動化を利用して、モダンなインテリジェント工場への移行を支援するために、業界を統合化された仕組みにアップグレードする人材の能力を開発します。
スリヤ大臣による会談終盤のご発言
2021年におこった未曾有の危機は、多くの信頼を失わせる出来事でもありました。しかしながら日本はタイにとってとても大切な経済パートナーであることに変わりはありません。
BOI(タイ投資委員会)のデータから見ると、日本は、承認された外国からの投資事業のうち19%を占めており、その多くは大規模投資事業のケースです。例えば、石油化学製品の製造(30億6千200万バーツ)、特殊な性質を持った糸や布の製造(25億5千900万バーツ)また微生物を使った商品の研究開発(19億9千万バーツ)、車両用ベアリング(16億8千万バーツ)などが挙げられます。直近9カ月間で申請承認された日本からの投資件数は125プロジェクトにものぼり、外国投資の中で最も多く、投資額にするとその価値は678億1千700万バーツになります。
【4月1日から外国人旅行者に対して入国料300バーツを徴収する方針】
タイの観光スポーツ省は2022年4月1日から外国人旅行者に対して一人当たり300バーツの入国料を徴収する方針を発表しました。
入国料とは、実際にはどのように徴収され、また何の目的で使用されるのかと疑問に思う方もいらっしゃると思います。
入国料の使用目的
徴収されたお金は国家観光促進基金に一度集められ、観光省の事務次官室にて管理され、観光発展のための資金として運用されることになります。例えば、観光地の設備の整備、エレベーターの設置や日本のように清潔な公共トイレの設置などが考えられます。
では旅行者は、入国料を支払うことによって受けられる恩恵があるのでしょうか。
徴収されたお金の一部は旅行者がタイを旅行中に事故にあった場合、また死亡した場合など、最大100万バーツの保険金、また医療費として最大50万バーツを受け取れるような補償に充てたいと考えられています。
その徴収方法は?
ヨーロッパや日本をはじめとする多くの国が、すでにこの入国料を徴収するシステムを運用しています、それらは航空券や宿泊ホテルなどの費用に含まれていることが多いようです。
タイ運輸相はすでにタイと外国を渡航する全ての航空会社に3月中に新しい料金徴収のアプリを完成させ、渡航者が入国前に“入国料”を支払うシステム、またその支払い未払いが確認できるようなシステムを構築するよう命じました。
タイ政府は今年の観光目標について、観光収入を約1.3-1.8兆と予想しています。外国人旅行者は500万人から1,500万人と予想され、その収益は約8千億バーツと期待されています。
【入国後の隔離措置】
政府は1月8日に海外からの渡航者に対する隔離期間と入国措置について発表を行いました。
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通常の旅行・商用目的の入国をする場合
渡航前に準備するもの
- パスポート
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Thailand Passシステムで必要事項の登録申請 http://tp.consular.go.th/
登録後発行されるQRコードが入国の際に必要になる - 政府指定隔離宿舎(AQ)又はSha Extra+ホテルの7泊分の予約
- 5万米ドル以上の医療保険加入証明書(年齢にかかわらず加入が必要)
- 渡航前72時間以内に受検されたPCR検査陰性証明書
- 国・地方自治体等公的機関により発行されたワクチン接種証明書(隔離期間が短縮されます)
- ビザ(必要に応じて)
渡航後の手順
到着後全ての人が入国後の健康チェックを受けます。
その後、事前に予約を行った隔離施設へ移動していきます。隔離日数
7日間:タイ政府又はWHOが承認するワクチンの接種完了証明書を保持し、タイ入国時点で接種完了から14日以上経過している方。10日間:タイ政府又はWHOが承認するワクチンの接種が完了していない方。または、ワクチン接種完了証明書を保持しているが、タイ入国時点で接種完了から14日未満の方。 - サンドボックス・プログラムでの入国
- パスポート
- Thailand Passシステムで発行されたQRコードのコピー
- 政府指定隔離宿舎(AQ)又はSha Extra+ホテルの7泊分の予約及び支払い確認書(PCR検査2回分の料金が含まれていることが明記されている必要があります)
- 5万米ドル以上の医療保険加入証明書(年齢にかかわらず加入が必要)
- 渡航前72時間以内に受検されたPCR検査陰性証明書
- 国・地方自治体等公的機関により発行されたワクチン接種証明書(保護者同伴の12歳未満の子供については必要ありません)。タイ入国時点で接種完了から14日以上経過している必要があります。
プーケット県に加えて、2022年1月11日以降、クラビー県、パンガー県、スラタニ県(タオ島、パガン島、サムイ島のみ)を対象に、サンドボックス・プログラムでの入国の申請受付が開始されます。
渡航前に準備するもの
渡航後
サンドボックス・エリアでの健康観察期間は7日間、その後国内を自由に行き来することが可能になります。
参考データ:工業省、Bangkokbiz、在タイ日本大使館、タイ入国管理局